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2020.08.27

MEDIA

三菱商事ファッション ODM向け3D・CGスキームに注目 新しい物作りへの要望に対応

繊研新聞 2020年8月27日付

用途に合わせた3D・CG技術を提供

 三菱商事ファッションがアパレル製品のOEM・ODM(相手先ブランドによる設計・生産)に活用できる3D・CGスキームを提案、多様なアパレルメーカーから引き合いが強まっている。CAD(コンピューターによる設計)を起点に、試作反やサンプル縫製を不要とするスキーム。4月にデジタル事業推進本部を新設、コロナ禍の市場変化を捉えている。

 その特徴は①3Dモデリング技術②生地スキャニング技術③色や光源を補正するレンダリング技術――の三つを連動させたこと。色試験反やサンプルを省略でき、サイズ管理の統一、ささげ(撮影、採寸、原稿作成)業務も削減できる。オンラインで3Dモデリングチェックも可能だ。在宅や会社など働く環境を問わず、ウェブでデザイン修正やパターン調整などができる点が注目されている。

 業界の急激な変化とともに顧客が拡大している。大手ファッションアパレルや有力スポーツアパレルなど、幅広い領域で導入に向けた商談が相次ぐ。

 「サンプル作りが難しくなっているので3Dモデリングを活用したい」「リアル展示会が開催できないなかで、CGによるデジタルカタログ、デジタルプロモーションに使いたい」などの要望が増えている。ECやDtoC(メーカー直販)市場の広がりから、「EC専用ブランドを立ち上げる際に、新しい物作りに向けて3D・CGスキームを全て使いたい」などの依頼も多い。

 こうした要望に応えるため、次の技術を開発した。①業界のプロ同士がフィッティングやデザイン確認を目的に企画段階で使う「3Dモデリング」②相手先ブランドの営業ツールや展示会カタログに使う「簡易版CG」③BtoC(企業対消費者取引)向けに、商品の背景や着用モデルの顔を自由に入れ替えられる「EC用CG」の三つだ。これらを用途に合わせて提供する。

 谷本広幸デジタル事業開発部長は「ファッション向けの3D・CGスキームでは、3Dモデリングや生地スキャニング、レンダリングなどの各工程でファッション感度の高さが要求される。当社はそれぞれのエキスパートを内製化することで他社と差別化できる」としている。

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