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2022.02.25

MEDIA

三菱商事ファッション22年秋冬 市場変化に適応する多様なODM・OEM提案

繊研新聞 2022 年 2 月 24 日付

 タッチパネル式サイネージを配置した展示会

 三菱商事ファッションは22年秋冬に向けて「動く・新しい・服」をメインテーマに、市場変化に即した用途やシーンごとに細分化したODM・OEM(相手先ブランドによる設計・生産)を提案している。アフターコロナの市場を意識し「環境への優しさや人々に寄り添いながら、生活の質を高めていく商材」を訴求した。同社が開発を推進する3D・CG技術を活用した製品提案も強化した。(北川民夫)

機能性やリサイクル

 来秋冬の「プロダクトプランニング」のカテゴリーでは多様な開発製品が目を引いた。独自素材「ディアプレックス」は透湿防水をはじめとする機能性を打ち出す。同素材はウレタン系形状記憶ポリマー技術をベースにして、素材そのものに〝温度反応記憶機能〟を付加したユニークな特性を持つ。温度変化に即して高透湿状態へと自動的に変化するため衣服内の快適性を保つ機能がある。

 一方、ダウンウェア向けでは、東洋羽毛工業が持つ優れた洗浄技術から再生された羽毛(650フィルパワー)を活用した製品を紹介。フェムテック商材では、下着だけでなく日常の生活シーンで着用できるアクティブ吸水レギンスをアピールした。

 また、スマートウェア市場が盛り上がりを見せるなかで、国内の老舗ユニフォームメーカーとの協業を通じて開発を進めるエレクトリック・ヒートウェアを打ち出した。

シーン別に細分化

 「ジェネレーションコーディネート」のカテゴリーでは〝お出掛け〟〝リラックス〟〝プチアウトドア〝の三つのシーンを想定。60代以上の母親とその娘のシーン別コーディネートで提案。シニア世代には生活やシーン別のニーズに対してデザインや機能を付加したアイテムを揃える。娘世代には鮮度の高いファッショントレンドを反映しながらも環境問題に配慮したアイテムを打ち出す。

 「スポーツミックス・コンフォータブルフェミニン」では、通勤から旅行、アウトドアなどの幅広いシーンで活用できるスポーツ感覚のアパレルや素材提案を増やした。レディス向けには新感覚の快適性をアピールし、フェミニンな装いと心地良さを追求。温かみや軽さ、ドレープ性などを布帛やカットソー製品で表現する。イージーケアやコストメリットを意識した素材も提案する。

 「デジタルプリンティングソリューション」はコーニット製プリンターを活用したオンデマンド生産による企画を打ち出した。各種イベントやサークル活動、地域行事などに合わせたサンプルを例にウェブ上で簡単にオリジナルプリントTシャツが作成できる。「サステイナブルミックス」は国内産地による環境配慮型素材を揃える。

 三菱商事ファッションが開発を進める3D・CG技術を活用した製品提案も強化する。展示会ではタッチパネル式のサイネージを各カテゴリーに配置して、パネルを実際に触って3Dデータを動かせる展示手法を採用した。品番ごとのカラー展開をサイネージ上で確認できるものとなっている。

 更には、アウトドアテントやシューズの3Dデータや精緻(せいち)なアバターの表現等アパレル以外の研究開発情報をデジタルツールで紹介。各種素材品番毎に紹介するデジタルライブラリーも開設して3D・CGによる提案を行う。

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