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2023.02.21

MEDIA

【商社トップインタビュー】三菱商事ファッション 社長 村田茂氏 既存の収益構造から脱却

繊研新聞 2023 年 2 月 17日付

村田茂氏

 

 中長期的には、流通の中間に位置する商社の収益構造の在り方から脱却する必要があると考える。BtoC(企業対消費者取引)の経験を積んでいくことが大事であり、当社の特徴を発揮しながら、BtoCの実績を有する相手先との取り組みを重視する。産地開拓や生産管理、サプライチェーンの合理化は繊維商社の〝専売特許〟ではなくなっている。差別化に向けブラッシュアップする機能を見極めなければならない。当社としては、従来のOEM(相手先ブランドによる生産)商社の領域を越えるために、デジタル分野など、当社が他社に先駆けてリードし、将来的にも価値を生み出す分野については継続的に人も資金も投入していく。その成果は、最終消費者にこそ評価されるべきであり、それがBtoB(企業間取引)の取り組み強化においても差別化につながる。

 国内市場に向けては、商品にサービスを付加した対価を提供していくのも商社の仕事だと考える。そのためにはデジタルと、商品の背景にある素材や縫製、物流・倉庫などの業者との協力態勢が欠かせない。デジタルを活用した具体的な仕組みのアイデアのコアとして、BtoCのセミオーダーブランド「THE ME」(ザ・ミー)がある。これは、アパレル業界の過剰在庫課題の解決に貢献するブランドとして顧客からも支持されている。今後、ザ・ミーの様なBtoCの仕組みを、今後BtoBとして横展開することを目指していきたい。

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